変人の暮らしと、少々毒のある雑観です.
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真夏のある日の早朝、福島県のある町に行く用があって東北新幹線に
飛び乗りました。
二日酔いのため少々お腹の具合が悪かったのですが、寝坊して支度を
慌てていたので、胃薬を飲むのを忘れていました。
座席に座って腹痛を我慢して悶々としていましたが、窮すれば通ず...
フとした拍子に妙案を思いつきました。
乗車券と特急券の裏面には磁性体が塗布してあるので、これをお腹に
貼れば血行が良くなって腹痛が楽になるかも...と思ったのです。
これは「キップエレキバン」だと、駄洒落を一人笑いしながら、人に
悟られないようにバッグで隠して、大急ぎで乗車券をパンツのゴムに
挟み下腹部に充てがいました。
次第に気分が落ち着き、いつの間にか気持ちよく眠ってしまいした。
(註1)
乗車券と特急券の裏面には
磁性体が塗布してあります.
しかし、鉄粉や血中のヘモ
グロビンが吸着するほどの
強さではありません.
あの有名な「Pエレキバン」は、血行促進や凝りの解消を促す効果の
ある、磁石入り絆創膏です。
厚労省からは「医療用具」の許可を得ているそうですが、その効能は
科学的に解明されていませんし、効果の有無についても様々な意見が
あるようです。
「Pエレキバン」を貼れば腹痛も緩和されるかどうかは不明ですが、
効くと信じれば効くのかも知れません。
ウソの薬でも良く効く薬だと信じ込むことによって、何らかの改善が
みられる現象を「プラシーボ効果」と言うそうですが、あの時の私も
そうだったのかも知れません。
腰に貼って腰痛が緩和される
のなら、腹に貼ったら腹痛が
緩和されるのかもしれない...
そう思い込んでいました.
ハッと気が付くと、電車は郡山駅のホームに停車するところでした。
飛び起きて、小走りで在来線への乗換口に向かいました。
改札機の直前で、胸のポケットの乗車券を取り出そうとして、それが
見つからないので慌てました。
すぐに「キップエレキバン」に使ったことを思い出し、急いでズボン
のベルトを緩めて下腹部を捜しました。
駅員の不審物を見るような目が気になったので、列を離れて隅に行き、
パンツの中に手を入れ、やっとのことで乗車券を探り当てました。
小走りする時、何となく下腹部に違和感らしきものはありましたが、
汗のせいか、よく落ちないで留まっていたものです。
(註2)
東北新幹線の郡山駅の
在来線への乗換口です.
私の中腰の不審な仕草を覗くような視線に耐え、無事に乗車券を取り
出し、人目を気にしながら改札口を通過しました。
冷静に考えれば、乗車券の磁力は、小さい鉄粉でも吸着できないほど
「Pエレキバン」より微力であることは容易に判ります。
しかし、特殊な状況の下では、思考が狭くなり、物事を自分の都合の
いいように解釈し、盲目的に思い込むものです。
ともあれ、腹痛が治った訳ですから、「プラシーボ効果」は、時に、
健康維持に有効であるような気がします。
日常生活でも、心理的な精神的な均衡を維持することも、期待できる
かも知れません。
140420
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(註1)「鉄道の小ネタ」の画像を加工しています.
(註2)「みちのく一人旅」の画像を加工しています.


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