変人の暮らしと、少々毒のある雑観です.
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5年前の10月、日曜日の朝、突然、女房が「富岡八幡宮に行きたい、
骨董市を見たい、小藤屋の塩大福を食べたい」と言い出しました。
何かの雑誌で仕入れた情報なのでしょう。
気乗りはしませんが、顔だけは笑顔にして同伴しました。
地下鉄の東西線で門前仲町で降り、先に「パワースポット」の「深川
不動堂」に詣でることにして、門前商店街を少し歩きました。
(右/註2) 深川龍神はブロンズ像ですが、何故か気になる存在です.
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境内に入ってすぐ左側に「深川龍神」があります。
龍神像の前の水槽に札を浮かべて祈願する「スポット」です。
カメラを構えると、龍神像の付近から何だかイヤそうな空気が漂って
来たので、シャッターボタンは押しませんでした。
正面の石段を上ると、旧本堂の正面に不動明王「おねがい不動尊」が
座して構えています。
身長が約5.4mだそうですが、坐像も非常に高くて、迫力があります。
不動明王といえば、普通は剣を持って恐ろしい顔をしているのですが、
こちらの「おねがい不動尊」は、イカツイ顔ですが心で笑いながら、
不良ジイさんのグチも聞いてくれそうな雰囲気がありました。
(註3) 柱に真言を書いた
紙を貼り付けた写真は、
どのサイトにもありませ
んでした.
私が見たのは偶然だった
のでしょう.
左側の円柱に、不動明王の真言を墨書した縦長の紙が貼り付けてあり
ました。
「のうまく さまんだ ばざら だん せんだ まかろしゃだ そわ
たや うんたらたかんまん」
その時の私は、何故か、この真言を憶えたいと思いました。
しかし、こんなに長い平仮名の羅列は、短時間で記憶できません。
紙にメモする前に、お線香を上げて挨拶しました。
その時、女房が「行くよっ!」と呼ぶので、真言のメモは後回しにして
先を行くことにしました。
(註4) 「阿字橋」の先は
「政廣不動の間」です.
堂内は撮影禁止ですが、
写真や動画を載せている
サイトはあります.
旧本堂の後ろ側には内仏殿あります。
空間は連続しているので、二つ目の建物内に入ったとは感じません。
すぐ先に「阿字橋」という、上方に湾曲した石橋があります。
その中程に梵字の「阿」がライティングされています。
この橋を渡ることによって、「阿」の光を受ける、つまり大日如来の
ご利益を受けることになる、という「パワースポット」なのです。
女房に続いて私も渡りましたが、この時から妙に空気が重くなって、
過呼吸の状態に近くなりました。
(註5)「政廣不動の間」に入った途端に生汗が出て、気分が悪くなり
ました. 最近にない酷い貧血でした.
何のバチが当たったのか...分かりません.
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橋の先には、窓のない小部屋「政廣不動の間」があります。
「これは...なんか変だぞ...」と思いつつ、また何故か、その小部屋に
行きたいという気持ちが強くなりました。
「政廣不動の間」は六畳間くらいの「無窓室」です。
正面に中央沢田政廣の作像「立座不動明王像」が祀られています。
誰もいなかったと思いますが、この小部屋に入ると目眩がして立って
いられなくなり、座り込んでしまいました。
「不動明王像」を見るともなく見ていると、呼吸のリズムがおかしく
なり、イヤな生汗がドーッと出てきました。
視界が薄暗くなって、室内がグラ~ッと歪んで回り出しました。
「また貧血かよ~何でバチが当たったのかな~」と怪訝に思いつつ、
「早くここを出よう」と焦りました。
腰が抜けたような状態で、いざって移動して、やっとの思いで廊下に
出たら、フラつきながらも立てるようになりました。
すぐ近くに女房がいて、それがナンと、懐かしい天女に見えました。
助けて貰おうと「さっき貧血おこしてね...」と訴えると「またバチが
当たったね」と冷静な返事、これが言い得て妙です。
この突然の体調不良は、私にはかなり長い時間に感じられましたが、
実際はほんの一瞬だったのかも知れません。
女房にとっても、神仏が「このバチ当たりっ」と私を叱った程度の、
ほんの短い時間だったのかも知れません。
(註6) 護摩供養は大迫力、
特に太鼓は腹の中に響き
わたるような、包容力と
凄みがありました.
その時、本堂で「護摩供養」が始まりました。
大勢の人が法要を見ようと集まっていたので、私たちは廊下の片隅で
音だけを聞いていました。
女房は「アンタが何処かに行ってしまうから、護摩を見れないよ」と
膨れっ面でした。
私は、読経と太鼓がモダンジャズのように聞こえて、音だけでも十分
満足しました。
特に太鼓には、レイ・ブラウンのベースのような迫力が感じられて、
逆に音だけの方がよかったと思いました。
もしかしたら、私のそうした不謹慎な姿勢が、「パワースポット」で
体調不良になる原因なのかもしれない、と思いつつ、法要の迫力ある
音響には心を奪われました。
富岡八幡宮の本殿です.
本殿から聞こえて来た
祈祷の太鼓は、護摩供
養の大迫力ある太鼓と
異なって、「浄化」の
印象がありました.
「深川不動堂」を出て、ゆっくり「富岡八幡宮」に向かいました。
出店を見物しながらもフラフラ歩いて5分ほどの距離にあります。
途中で「深川不動堂」の外部写真を1枚も撮っていないことに気づき
ましたが、もう引き返す気力はありませんでした。
「富岡八幡宮」の境内の骨董市は賑わっていましたが、鑑賞眼のない
私たちには「豚に小判」でした。
この聖地では、私は何事もなく、無事でした。
本殿から聞こえてきた祈祷の太鼓を、2人で心静かに聞きました。
(註7) 甘味処「伊勢屋」は
深川不動堂赤門の西側に
(永代通り)あります.
私たちが訪れた日の行列は
老若の女性が多かったです.
「富岡八幡宮」から門前仲町の大通りに出て、伊勢屋で行列に並び、
豆大福と塩大福を買い求めました。
これが一番の目的だったのか...女房は目を団子にして喜んでいました。
大福を頬張って通りを歩きながら、女房は「こういう美味しいものに
出会うのも、パワースポットのご利益ね~」と無邪気に笑います。
そして「アンタの貧血は、パワースポットのバチが当たったのね~」
と無邪気に笑います。
豆大福が喉に詰まりそうでした。
190409
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以下のサイトの画像を加工しています.
(註1)「木場」
(註2)「LINEトラベル」
(註3)「スピラボ」
(註4)「神社・お寺・パワースポット」
(註5)「成田山 深川不動堂」
(註6)「LINEトラベル」
(註7)「グルコミ」








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